「ユーズド材は商品化できるか?」…考えを巡らせながら、スギ床をリユースしてみました。

3年前に「敷くだけフローリング*スギ」をご注文くださったお客さまから、「引越先でどうしても使うことができないので、引き取っていただけますか」というお問い合わせをいただきました。

3年の使用ですから、私たちの経験からも、まだまだ使えることは確かです。
廃棄することになったら、とっても残念です。

「どうしよう?」…と考えて、今回は私の実家でリユースさせていただくことにしました。

というのも、これまでに「ユーズド材はないですか?」と何度かお問い合わせをいただいたことがあり、「一度シミュレーションしてみたい」とかねがね考えていたのです。

違う部屋への敷き直しができることは、自らの引越しですでに実証済み。ブログ(「無垢の床ごとお引越♪ 我が家の事例を大公開!」)でご紹介した通りです。

しかし、「ユーズド材」として商品化するには、引越先で自分が再利用するのとは違った視点で確認しておきたいことが幾つかあります。
そこで今回は、以下の2点をしっかりチェックして実験してみることにしました。

◉どのくらいの手間が、引き取りにかかるのか?
◉どんな「ユーズド感」の印象を受けるのか?

まずは一枚一枚きれいに掃除し、状態をチェックしながら撤去

こちらが、ご提供いただくことになった「敷くだけフローリング*スギ」。
広々としたオフィスでの使用でした。

全体に箒をかけ、水拭きをしてから撤去作業に入りました。
床材の噛み合わせ部分の「雄実」にはホコリが溜まります。
カッターを沿わせてホコリを取り除きながら、一枚一枚、状態をチェックしました。

丁寧に使ってくださっていたのですが、当然のことですが、デスクやオフィス機器の周り、そしてキッチン周りの材には、汚れや傷が目立ちます。
そして人の動きが少ない場所には、とても良い状態の材がまとまっています。

リユース場所での配置のしやすさを考え、状態によってA、B、Cの3グレードにざっと分け、長さ別に結束して運ぶことにしました。

設計図を描き、現場の長さに合わせてカットしながら設置

実家では、引越時の敷き直しと同様の段取りで、採寸・設計からスタートしました。

新品の商品であれば、その部屋にぴったりと敷ける長さと幅でプレカットされて届くのですが、リユースする場合は、一列一列、長さを自分で現場合わせでカットしていくことになります。

なので、時間も労力もかかります。
だけど、DIYの楽しみはたっぷりと味わえます。

今回は、電動工具は使わず、手ノコでカットしました。

ソファやピアノの下になる場所には、C材を集中的に。
そして目立つ場所には、状態の良いA材とB材を選んで敷きました。

食堂は、中央にテーブルを置くため、汚れや傷が目立ったC材を多用しました。
一枚一枚手に取って眺めると、「使えるかな?」と感じるほどだったC材も、こうして敷いてしまうと、意外と目立たない気がしました。

テーブルを置けば、さらに汚れや傷は気にならなくなります。

リビングの入り口から中央にかけては、A材とB材を選んで敷いたので、無垢スギの気持ち良さが心ゆくまで味わえるようになりました。

合板フローリングではラグや絨毯を季節ごとに取り替えなければなりませんでしたが、これなら、四季を通じてこのまま無垢床に直座りしても、ゴロゴロ寝そべっても快適です♪
チワワのマリアもこの通り、ご機嫌です♪

ユーズド材でも心地良さは一緒。でも、課題は大きい。

実家で敷き直してみて、一番印象的だったのは、「ユーズド材」でも無垢スギの良い香りが部屋中に漂い、合板フローリングの部屋にはなかった心地よさが広がったことです。
これは、本当にすごいなと思いました。

無垢材には、空間を一気に変身させる力があります。

ただ、予想はしていたものの、手間が半端なくかかることがわかりました。

◉どのくらいの手間が、引取りにかかるのか?
というチェック項目に関しては、時間と手間を換算し、「ユーズド材」として妥当な価格設定ができるのか検討する必要があります。

そして、
◉どんな「ユーズド感」の印象を受けるのか?
というチェック項目に関しては、お客様としてはかなり厳しいのではないかという判断となりました。

おそらく、すでに「敷くだけフローリング」を使用していらっしゃるお客様であれば、ご自身の床の汚れや傷に慣れているので抵抗は小さいと思われます。
しかし、初めてのお客様には、かなり気になると思われます。

一旦、製材所に送り、表面に「超仕上げ(機械がんな)」をかけ直してツヤツヤにしてもらうことも考えられないわけではないですが、経費が嵩みます。
そもそも「ユーズド材はないですか?」とお問い合わせされた方々は、新品のきれいさではなく、ほどよく使い込まれて馴染んだ風合いを求めてのこと。
そして多分、新品より安いのではないかという期待あってのこと。
とすると、なんだか本末転倒になりかねない!?(笑)。

しかも、プレカットしてあって素人でも楽々設置できる「敷くだけフローリング」とは違って、相当な現場合わせが必要となるので、DIYのハードルがとても高くなってしまう。
その上、実際の「ユーズド材」の寸法と数を確認し、それを使いこなせるよう事前に設計し、さらに汚れや傷を見極めて配置を考えなければならない…かなり総合的な判断力が必要になってきます。

そして、実は今回のチェック項目とは別に、保管場所という大きな課題もあります。
「ユーズド材」が出たときに、直接運んですぐに使っていただけるお客様がいるとは限らないですからね。

・・・というわけで、やはり「ユーズド材」という商品を定番化するには、あまりに課題が複雑だというのが、今回の結論です。

とはいえ、できるだけ長い年月使っていただき、もう使えないという状態になったあかつきにはバイオマス燃料にする…という循環を作っていきたい。
そんな思いが、私たちにはあります。

今回の実験に飽きることなく頭の片隅に置きつづけ、機会が与えられたときにはアイディアを練り、少しでも先に進んでいきたいと思っています。

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